登録日: 2020-06-22 更新日: 2020-08-02
「Fedora Workstation 32」をUSB メモリにインストール しました。追加でインストールした「qpdfview」は個人的によく使うPDF ビュワーです。
メニューが日本語化されていないので、使いやすいように日本語化してみました。
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日本語化した画面:
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Fedora 32 にて「qpdfview」をインストール
個人的によく使うPDF ビュワーです。表紙付きの見開きで、読む方向を指定できるのが利点。この両方の機能があるビュワーは少ないです。
$ sudo dnf install qpdfview : インストール済み: poppler-qt-0.84.0-2.fc32.x86_64 qpdfview-0.4.18-3.fc32.x86_64 qpdfview-common-0.4.18-3.fc32.noarch
→Qt アプリです。 dnf でインストールしたアプリは最新と思われますが、なぜか日本語の .qm ファイルが入っておらず、メニューが日本語化されていません。サイトにあるソースには日本語の翻訳ファイル(.ts) が含まれているので、そもそもの配布元が違い、そこにはないのかな?
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Fedora での「qpdfview」の日本語化
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1. 翻訳ツールが入っているかの確認:
$ dnf list qt5* : インストール済みパッケージ qt5-linguist.x86_64 5.14.2-1.fc32 @updates qt5-qttools.x86_64 5.14.2-1.fc32 @updates :
→前回 のnotepadqq(Qt アプリ)のビルド作業で入ったようです。
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Qt 翻訳ツール一覧:
lupdate: ソースコードから翻訳対象のメッセージテキストを抽出。
Qt Linguist: 翻訳ファイル(.ts)を翻訳するためのGUI ツール。
lrelease: 翻訳ファイル(.ts) をコンパイルして、Qt 翻訳バイナリファイル(.qm) を作成。
lconvert: 翻訳に関連するファイルを変換。
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2. 最新のqpdfview のソースをダウンロード
1. qpdfview のサイトをブラウザで開きます。
2. 右にある、Downloads 「qpdfview-0.4.18.tar.gz 」をクリック。
Latest version is 0.4.18
released on 2019-07-24
→これは、dnf でインストールしたバージョンと同じみたいです。でも、Fedora だけでなく他のディストリビューションでも日本語化されていません。やっぱりソースの配布元が違うところかもしれません。
3. ダウンロードした「qpdfview-0.4.18.tar.gz」を右クリック→「ここで展開」→「qpdfview-0.4.18」フォルダが作成されます。
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3. 作業前に.ts を退避:
$ cd ~/ダウンロード/qpdfview-0.4.18/translations/ $ cp qpdfview_ja.ts qpdfview_ja.ts-ORG
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4. 使い方を確認:
$ /usr/lib64/qt5/bin/lrelease --help : lrelease [options] ts-files [-qm qm-file]
→パスが通っていないので注意。
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5. 好みで修正:
$ cd ~/ダウンロード/qpdfview-0.4.18/translations/ translations]$ pluma qpdfview_ja.ts
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6. 翻訳:
$ cd ~/ダウンロード/qpdfview-0.4.18/translations/ translations]$ /usr/lib64/qt5/bin/lrelease qpdfview_ja.ts Updating 'qpdfview_ja.qm'... Generated 368 translation(s) (368 finished and 0 unfinished) Ignored 1 untranslated source text(s)
→ソースで未翻訳がひとつあるみたい。見直しが必要かも。
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7. 配置:
translations]$ sudo cp qpdfview_ja.qm /usr/share/qpdfview/qpdfview_ja.qm
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8. 動作確認:
メニューが日本語化されました:
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1. 見開きの場合、左右のページが合っているかが重要です。表紙が含まれることでページがズレたりします。
例えば、上記の雑誌だと、 表紙、見出し左、見出し右、目次左、目次右、... とページが並んでいます。
なので、「表紙、(空)」、「見出し左、見出し右」、「目次左、目次右」、と表示して欲しいわけです。
2. 「表紙あり / なし」の指定ができないと、
「表紙、見出し左」、「見出し右、目次左」、「目次右、...」と表示されます。
3. あとは、左からめくるか、右からめくるか、の方向指定ができるかです。
日本の本は、めくる方向が半々です。英語の本はほとんど左からめくるので、英語圏のビュワーは方向指定のないものが多く、日本の本の半数が後ろからめくられて読めません。
ちょっとした機能ですが、あるか / ないかで、快適さがぜんぜん違います。片方の機能はあっても、両方の機能があるPDF ビュワーは少ないです。まず、見つかりません。
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まとめ
メニューが日本語化されただけで使いやすくなりました。プログラム作成者と翻訳者に感謝。
本当はヘルプファイルの翻訳も残っていますが、原本のhtml ファイルには知りたい新機能について書かれていません。 新機能についてはさっぱりわからないので、これだともったいないです。
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目次
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