Linux あれこれ

Linux 関連(一部 Windows11 )の備忘録です。

Flatpak 版のBoxes に「かんたんインストール」で「Ubuntu 22.04.1 LTS」をインストール〈H156-3〉

登録日: 2022-08-03 更新日: 2022-08-16

前回、「Xubuntu 20.04.4 LTS」に VirtalBox とは別の仮想環境として、Flatpak で最新の「Boxes」 をインストールしました。

その「Boxes」にて、「注目のダウンロード」に登録されている「Ubuntu 22.04 LTS」のボックスを「かんたんインストール」をオンにして、作成(仮想マシンとしてインストール)してみました。その後、システム更新で「Ubuntu 22.04.1 LTS」にアップしました。

その備忘録です。

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使用したPC は「ASUS Chromebox CN60 」で、プロセッサは第4世代の「Intel Celeron 2955U 」です。

UEFI 立ち上げ」のPC です。

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(注)リンクを戻るときはブラウザの左上の「←」をクリック

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目次

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参考:

Flatpak についての知識:

Boxes 使い方ガイド:

Boxes ヘルプの日本語化:

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前回の作業:

Flatpak で「GNOME Boxes」をインストール〈H156〉:

Boxes(Flatpak 版)のヘルプを日本語化〈H156-2〉:

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今回の作業:

  1. 「かんたんインストール」でインストール:

  2. 「かんたんインストール」でインストールの続き:

  3. 「通常のやり方」でインストール:

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問題1: インストーラーがクラッシュ:

問題2: 「かんたんインストール」でインストールすると、やり直しが難しい:

問題3: パネルの右上に「en」が表示:

問題4: 「かんたんインストール」では、ホスト名(コンピュータ名)が固定:

問題5: ホストOS のアプリに貼付けると、日本語が文字化け:

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「まとめ へ」

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「目次詳細 へ」

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Xubuntu 20.04.4 LTS」のデスクトップ

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Xfce デスクトップで、「Boxes」を起動している画面:

→この画面では、「Boxes」ウィンドウは、半画面のタイル表示にしています。

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GNOME Boxes」の画面:

仮想マシンを作成していない場合:

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仮想マシンを作成した場合:

→サムネール画像をクリックすることで仮想マシンの起動ができます。

ちなみに、「強制終了」した場合は、2重丸の停止アイコンになります。 クリックすると、前回の続きになります。余計なお世話で、なんのための「強制終了」かわかりませんね。

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ホストOS : Xubuntu 20.04.4 LTS

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現在のバージョンを表示:

2022-08-04 現在

カーネル:

$ uname -r
5.15.0-43-generic

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リリース:

$ cat /etc/lsb-release
DISTRIB_ID=Ubuntu
DISTRIB_RELEASE=20.04
DISTRIB_CODENAME=focal
DISTRIB_DESCRIPTION="Ubuntu 20.04.4 LTS"

→ひとつ前のリリースを使う、安定志向のポイントリリース版(延命版)です。 ポイントリリースの番号がひとつアップ (20.04.4) しました。

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「Boxes」について:

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  • 「Boxes」は GNOME アプリケーションのひとつで、 「仮想マシン」を動かす環境としては、シンプルで、簡単にゲストOS (ボックス)を作成できます。

  • VirtualBox のゲストOS にインストールすると、ボックス(ゲストOS)の作成で失敗します。 実機(ホストOS)へのインストールが必要です。

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公式サイト:

GNOME Boxes

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1. 仮想マシン環境(ボックス)の作成:

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1). 「Boxes」を起動:

メニュー →開発 →「Boxes」→「Boxes」を起動:

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2). ウィンドウの左上の「+」(新規)

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3). 「仮想マシンを作成」画面:

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4). 「注目のダウンロード」にある、「Ubuntu 22.04 LTS x86_64 (ライブ) 」をクリック

→ダウンロードが始まりました。少し時間がかかります。

→「~/ダウンロード/ubuntu-22.04-desktop-amd64.iso」にダウンロードされました。

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5). 「かんたんインストール」画面:

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かんたんインストール: オフ→「オン」に変更
ユーザー名: 「任意」
パスワード: 「任意」

→右上の「次へ」をクリック

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6). 「確認と作成」画面:

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オペレーティングシステム: Ubuntu 22.04 LTS
メモリ: 4.0 GiB
ストレージの上限: 25.0 GiB
ユーザー名: ubn
パスワード: ***************
EFI を有効にする: オフ →「オン」に変更

→右上の「作成」をクリック

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7). 「Boxes」画面に戻りました:

新しくサムネールが出来ました:

→サムネールの中で、すでに起動しているみたい。

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8). サムネールをクリックで開くと、

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「デフォルトのキーボードレイアウト(ja)を保持しますか?」

→「はい」

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つまり、「日本語キーボード」を使う指定です。

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9). 自動でインストール作業に進みました:

→かんたんインストール: 「オン」にすると、インストーラへの入力設定は要らないみたい。

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問題1: インストーラーがクラッシュしました

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1). しばらくすると、キーボード設定に進んだ辺りで、インストーラーがクラッシュ:

→「閉じる」

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(1). バグ報告を送信(中断)

ブラウザが開いて、Launchpad のログイン画面が表示(つまり、Ubuntu へのBug 報告)

Launchpad にログインして英語で障害内容を記述する必要があります。

→再現性は不明なので、ブラウザを終了して中断。

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(2). Boxes のウィンドウの右上の「縦3点」→強制終了

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(3). たぶん、英語圏以外での「検証不足」です

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2). インストールをやり直すため、サムネールを右クリック →削除

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問題2: 「かんたんインストール」でインストールすると、やり直しが難しいです

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すでに入力している項目は、スキップされて便利だけど、反面、入力できるところが限られていて、余計なお世話。

一度、インストールしたことがあると、イチからのやり直しができません。

「かんたんインストール」で設定したことの解除ができません。ボックスを削除してやり直しても設定した「ユーザ名」が表示されます。

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→インストール直後の設定ファイルの初期値が変更されるみたい。

初期値に戻すやり方は不明。たぶん、ボックスを右クリック→設定→編集 、だろうけど、素人にはムリかな。

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  • ボックスを削除して、再作成するときは、「ディストリビューションのデフォルト値にクリアしますか?」とか、聞いてほしいところ。

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下記の位置まで、何とかたどり着いて、

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インストーラ」への指示を変更して、やり直し:

デフォルトのキーボードレイアウト(ja)を保持しますか?

→「いいえ」

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2. 「かんたんインストール」のインストールの続き:

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このときは「インストーラ」が落ちただけで、最初のインストールが完了していない状態です。

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1). 下記に設定したことで、前に進みました:

デフォルトのキーボードレイアウト(ja)を保持しますか?

→「いいえ」

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2). →正常にインストールされ、自動で再起動されました。

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3). ログイン画面表示

→どういうセッションがあるかのぞいて見ました。

wayland と X11 の切り替えだけでした。

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4). 「オンラインアカウント」画面

→右上の「スキップ」

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5). 「Ubuntu の改善を支援する」画面

→右上の「次へ」

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6). 「プライバシー」画面

→右上の「次へ」

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7). 「準備完了」画面

→右上の「完了」

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8). デスクトップ画面が表示:

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9). パーティション分割がどのように設定されたか確認:

Windows+A →disk →「ディスク」を起動:

Ubuntu ではデフォルトの設定のパーティション構成である、efi パーティション (/boot/efi) を含んだ分割になっていました。

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というか、設定で「EFI を有効にする」を「オン」に変更したので、

そうなっただけのことです。たぶん、「オフ」の設定でも、分割のやり方は同じはずです。

→設定で「EFI を有効にする」を聞いて来たことが重要。他のディストリビューションでは聞いてこないときがありました。設定ファイルの差です。

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問題3: パネルの右上に「en」が表示

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→クラッシュを避けるために「いいえ」としたので、「英語キーボード」に設定されました。

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1). キー入力して、確認:

Windows+A →「テキストエディター」を起動:

「@@」で「[[」が入力されます。英語キーボードの設定です。

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2). 「日本語キーボード」に変更:

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Windows+A →「設定」

左の「キーボード」タブ

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入力ソース:

英語 (US)
日本語 (Mozc)

日本語
日本語 (Mozc)

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3). 再起動

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4). パネルの右上に「ja」が表示されていることを確認:

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問題4: 「かんたんインストール」では、ホスト名(コンピュータ名)が決まっています:

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単にOS の動作を確認するだけに使うのなら、ホスト名(コンピュータ名)の変更は要りません。

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1). 端末のプロンプトで確認:

ubn@ubuntu2204:~$ uname -r
5.15.0-41-generic
ubn@ubuntu2204:~$ cat /etc/lsb-release
DISTRIB_ID=Ubuntu
DISTRIB_RELEASE=22.04
DISTRIB_CODENAME=jammy
DISTRIB_DESCRIPTION="Ubuntu 22.04 LTS"

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2). ホスト名の確認:

$ uname -n
ubuntu2204
$ hostname
ubuntu2204
$ hostnamectl
:
 Static hostname: ubuntu2204  ←(注目)
       Icon name: computer-vm
         Chassis: vm
      Machine ID: f5e78e272bf84ec9989bf7683e9cc48d
         Boot ID: 9110b2cf85f544e8972f278806306aef
  Virtualization: kvm
Operating System: Ubuntu 22.04 LTS                
          Kernel: Linux 5.15.0-41-generic
    Architecture: x86-64
 Hardware Vendor: QEMU
  Hardware Model: Standard PC _Q35 + ICH9, 2009_

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3). ホスト名を変更:

$ sudo hostnamectl set-hostname ubn-box

→行末の文字列がホスト名です。

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もしくは、GUI で設定:

Ubuntu の「設定」→ 「このシステムについて」タブ

「デバイス名」をクリック→ホスト名を変更

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4). 変更されたか確認:

$ hostname
ubn-box
$ hostnamectl
:
 Static hostname: ubn-box  ←(注目)
       Icon name: computer-vm
         Chassis: vm
      Machine ID: f5e78e272bf84ec9989bf7683e9cc48d
         Boot ID: 9110b2cf85f544e8972f278806306aef
  Virtualization: kvm
Operating System: Ubuntu 22.04 LTS                
          Kernel: Linux 5.15.0-41-generic
    Architecture: x86-64
 Hardware Vendor: QEMU
  Hardware Model: Standard PC _Q35 + ICH9, 2009_

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5). ホスト名を変更したら、/etc/hosts ファイル内のホスト名の更新も必要:

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確認:
$ cat /etc/hosts
127.0.0.1   localhost
127.0.1.1   ubuntu2204  ←(注目)

# The following lines are desirable for IPv6 capable hosts
::1     ip6-localhost ip6-loopback
fe00::0 ip6-localnet
ff00::0 ip6-mcastprefix
ff02::1 ip6-allnodes
ff02::2 ip6-allrouters

-

修正:
$ sudo nano /etc/hosts

Ctrl+O で保存
Ctrl+X で終了

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確認:
$ cat /etc/hosts
127.0.0.1   localhost
127.0.1.1   ubu-box  ←(注目)

# The following lines are desirable for IPv6 capable hosts
::1     ip6-localhost ip6-loopback
fe00::0 ip6-localnet
ff00::0 ip6-mcastprefix
ff02::1 ip6-allnodes
ff02::2 ip6-allrouters

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問題5: ホストOS のアプリに貼付けると、日本語が文字化け:

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これは、「Boxes」の問題点というか、惜しいところです。

最新の「Boxes」では、「クリップボードの共有」の設定がなくなり、何も設定しなくても(クリップボードの共有機能が有効で)ボックスのアプリのデータをホストOS のアプリに貼付けできます。ただし、問題がありました。

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ゲストOS から、ホストOS 側に貼付けるときに、文字化け:

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ボックス側(ゲストOS)の端末表示:
$ ls -1
snap
ダウンロード
テンプレート
デスクトップ
ドキュメント
ビデオ
ピクチャ
ミュージック
公開

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ホストOS 側の「テキストエディター」に貼付け:
$ ls -1
snap
\u30c0\u30a6\u30f3\u30ed\u30fc\u30c9
\u30c6\u30f3\u30d7\u30ec\u30fc\u30c8
\u30c7\u30b9\u30af\u30c8\u30c3\u30d7
\u30c9\u30ad\u30e5\u30e1\u30f3\u30c8
\u30d3\u30c7\u30aa
\u30d4\u30af\u30c1\u30e3
\u30df\u30e5\u30fc\u30b8\u30c3\u30af
\u516c\u958b

→日本語が文字化け。プログラムの内部で使われる「Unicodeエスケープシーケンス」みたい。

Unicodeエスケープシーケンス」は、キーボードから入力できない文字(どの言語の文字)も表せます。

通常は表示するときに、UTF-8 に変換されるのですが、そのままです。

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逆に、ホストOS から、ゲストOS 側に貼付けるときは、文字化けしません

ホストOS のブラウザから、ゲストOS の端末画面にコマンドを貼り付けできるので、設定が楽にできます。 これは便利。

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英語であればそのまま使えます。VirtualBox よりは便利です

日本語を貼り付けたいときは、ゲストOS 側のアプリに貼付けるか、「共有フォルダ」の機能を使うと良いです。

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参考: 「クリップボードの共有」に必要なパッケージを確認:

ホストOS (Ubuntu 20.04.4 LTS):

$ apt search spice-vdagent
:
spice-vdagent/focal-updates,focal-security,now 0.19.0-2ubuntu0.2 amd64 [インストール済み、自動]
  Spice agent for Linux

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ゲストOS (Ubuntu 22.04.1 LTS):

$ apt search spice-vdagent
:
spice-vdagent/jammy,now 0.22.1-1 amd64 [インストール済み、自動]
  Spice agent for Linux

→どちらもインストールされていました。

もしかしたら、これ以外にも必要なパッケージがあり、どちらかが抜けているのかもしれません。

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参考:

spice 詳細ページ

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たぶん、英語圏以外での「検証不足」です。

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3. 「共有フォルダ」の機能が使えるか確認:

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ホストOS とゲストOS の間でフォルダを共有します

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仮想マシンが実行されていて、「spice-webdavd」がインストールされている場合は、 仮想マシン内から参照するフォルダをホストOS に設定することができます。

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参考: 「共有フォルダ」に必要なパッケージを確認:

ホストOS (Ubuntu 20.04.4 LTS):

$ apt search spice-webdavd
:
spice-webdavd/focal 2.4-1 amd64
  daemon to proxy WebDAV request to the Spice virtio channel

→インストールされていません。

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ゲストOS (Ubuntu 22.04.1 LTS):

$ apt search spice-webdavd
:
spice-webdavd/jammy 2.5-1 amd64
  daemon to proxy WebDAV request to the Spice virtio channel

→インストールされていません。

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確認作業は後ほど。

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4. 「かんたんインストール」をやり直せるかの確認:

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1). 「Boxes」を起動:

メニュー →開発 →「Boxes」→「Boxes」を起動:

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2). インストールしたボックスを右クリック →削除

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3). ウィンドウの左上の「+」(新規)

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4). 「仮想マシンを作成」画面:

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5). 「注目のダウンロード」にある、「Ubuntu 22.04 LTS x86_64 (ライブ) 」をクリック

→ダウンロードは済んでいるので、完了したメッセージが表示。

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6). 「かんたんインストール」画面:

かんたんインストール: オフ→「オン」に変更してはいけません。

ユーザー名: 「すでに入力した値」が表示

パスワード: 「空欄」

→何もさわらずに、右上の「次へ」をクリック

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2度目として、やり直すときは操作に注意:

もし、かんたんインストール: 「オン」に変更すると、「パスワード入力」で固まります。

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  • 「かんたんインストール」でインストールしたことのあるディストリビューションは、設定が引き継がれます。 設定変更しようとすると、固まります。

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7). 「確認と作成」画面:

オペレーティングシステム: Ubuntu 22.04 LTS
メモリ: 4.0 GiB
ストレージの上限: 25.0 GiB
ユーザー名: ubn
パスワード: ***************
EFI を有効にする: オフ →「オン」に変更してはいけません。

→何もさわらずに、右上の「作成」をクリック

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2度目として、やり直すときは操作に注意:

もし、「EFI を有効にする: オン」に変更すると、「作成」をクリックで固まります。

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  • 「かんたんインストール」でインストールしたことのあるディストリビューションは、設定が引き継がれます。 設定変更しようとすると、固まります。

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8). 結論: やり直せるけど、設定変更はムリ

一度「かんたんインストール」を使うと、「かんたんインストール」で使った設定を変更できません。

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9). これだと、ダウンロードした「iso ファイル」を指定してインストールするやり方が確実です:

普通に、ブート選択画面が出て、インストーラが普通に立ち上がりました。

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ちなみに、インストーラが起動したときの、Boxes のタイトルバーは「Ubuntu 22.04 LTS 2」になっています。

ボックスを削除しても、名前は引き継がれています。設定の残骸が残っているようです。

ただし、これは「ライブ立ち上げ」の状態のボックスの場合で、通常のインストールが完了すると「Ubuntu 22.04 LTS」になりました。

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どちらにしても、ボックスを削除したら「Boxes」を再起動するのが良さそう。

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5. 「かんたんインストール」で「Ubuntu 20.10」をインストールしてみました:

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目的:

(1). 「かんたんインストール」でインストーラーがクラッシュする不具合を報告
(2). 「UEFI オフ」でインストールした場合に、システムがちゃんと立ち上がるか確認

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「Boxes」では、一度インストールしたディストリビューションだと、新規に「かんたんインストール」を使えない仕様(不具合? )があり、再現できないので、別のディストリビューションにしました。

現象の発生する、「かんたんインストール」が使えるディストリビューションそれほど多くない ので、「Ubuntu 20.10」になりました。

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1). 「Ubuntu 20.10」で確認すると、同じ現象が発生:

→本当は「Ubuntu 22.04 LTS」のインストール時に報告できればよかったのですが、機会を逃しました。

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2). 不具合報告:

bug#1983457 [Boxes] The installer crashes when installing with Express Installation ON in Boxes when a Japanese Keyboard is connected.

→日本語キーボードがUS 配列になっていたので、囲み記号を間違えて、コード指定を使っています。
トホホ。

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現象:

日本語キーボードが接続されている場合、「Boxes」で
「かんたんインストールをオン」にしてインストールすると、インストーラーがクラッシュします。

→「Boxes」側の不具合の可能性が高いですが、「Ubuntuインストーラ」(ubiquity package) の不具合の可能性もあります。

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Ubuntu は自動で情報を収集して送信する仕組みがあるので、そのタイミングで状況を登録しました。

障害でキーボードがUS 配列だし、ライブ立ち上げで貼り付けができないため、英文のキー入力を行いました。 たいへんなので、だいぶ端折りましたよ。

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Ubuntu 20.10」は、サポート切れ間近のディストリビューションなので、調査してもらえるか微妙。 また、「Boxes」側で提出して下さい。と言われる可能性が高そう。

「Boxes」側はログ情報しかないので、その他の情報が(自動で)集まったので、無駄ではないかな。

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3). ちなみに、再現性を確認するためにわかったこと:

→「かんたんインストール」を使えるディストリビューションはそれほど多くないということ。

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(1). 使えるディストリビューション:

Ubuntu 22.04 LTS」、「Ubuntu 21.10」、…。

Ubuntu(デスクトップ)だけしか使えないのでは、と思えます。

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(2). 使えないディストリビューション:

Ubuntu 22.04 LTS Server」、「Fedora 36 WorkStation」、…。

→サーバーはダメ。Fedora もダメ。

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4). 「UEFI オフ」でインストールした場合に、システムが立ち上がるか確認:

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(1). サムネールをクリックして起動:

ブート画面が表示されたまま:

→残念ながら、立ち上がりません。

注目なのは、QEMU では「seaBIOS」が使われていること。 「seaBIOS」は、オープンソース版のBIOS です。

「seaBIOS」の画面が出ているということは、BIOS は登録されているということかな。 定義がうまくされていないのかも。

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途中でクラッシュしたからかもしれません。すんなりインストールできる手順でやり直す必要があります。

それには、「かんたんインストール」の設定をクリアするやり方を見つける必要があります。

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(2). すぐに、ESC キーを押すと、選択画面が表示:

  • 「1. disk」指定では、同じです。立ち上がりません。

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(3). 「3. DVD/CD」指定で、ライブ立ち上げ画面になりました:

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(4). 「日本語」指定後、ライブ画面を表示させました:

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(5). 「disk」アプリを起動して、ディスクのパーティションを確認:

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パーティション1:

→立ち上がらないので、BIOS の作成で失敗したみたい。

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パーティション2:

Ubuntu 20.10 以降は、BIOS 立ち上げのシステムでも EFI パーティションが存在します。

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パーティション3:

→立ち上がれば、「/」にマウントされます。

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(6). パーティション3 をマウントして、ファイルマネージャで確認:

→ちゃんとシステムが登録されています。インストールは完了したみたい。スワップはファイルで確保されています。

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6. 「かんたんインストール」の設定ファイルを調べました:

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作業は要りません。

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1). 「かんたんインストール」を一度使うと、それ以降、同じディストリビューションで使えなくなります:

「かんたんインストール」画面で、「かんたんインストール: オン」にして「パスワード入力」をするとフリーズします。

→ガードが甘いのが問題です。触って欲しくないところが触れるので、フリーズします。

ガードするなら、「かんたんインストール: オン」にできないようにグレー表示にして、右上の「次へ」しか押せないようにするのが確実です。

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ガードしているのは理解できるけど、サムネール一覧から削除しても、ガードが残っているのは問題です。

→どこかの、設定ファイルに記録が残っていると思われます。

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2). ファイル内に「xpress」が含まれているファイルを検索:

$ find ~/.var -type f -print0 | xargs -0 grep xpress
:
/home/ubn/.var/app/org.gnome.Boxes/config/gnome-boxes/unattended/setup-data.conf:express-install=false
/home/ubn/.var/app/org.gnome.Boxes/config/gnome-boxes/unattended/setup-data.conf:express-install=false
バイナリファイル /home/ubn/.var/app/org.gnome.Boxes/data/gnome-boxes/images/ubuntu22.04 に一致しました

→和訳: unattended(無人

同じファイルに 2行あったみたい。 予想外なのは、バイナリファイルの中まで検索しています。

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3). ファイルを確認:

$ ls -l ~/.var/app/org.gnome.Boxes/config/gnome-boxes/unattended/setup-data.conf
-rw-r--r-- 1 ubn ubn 221  8月  4 16:34 /home/ubn/.var/app/org.gnome.Boxes/config/gnome-boxes/unattended/setup-data.conf

→日時は、最後にアクセスした日時。

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4). 「かんたんインストール」で使われる設定ファイルの内容を確認:

$ cat ~/.var/app/org.gnome.Boxes/config/gnome-boxes/unattended/setup-data.conf
[/home/ubn/ダウンロード/ubuntu-22.04-desktop-amd64.iso]
express-install=false
username=ubn
product-key=

[/home/ubn/ダウンロード/ubuntu-21.10-desktop-amd64.iso]
express-install=false
username=ubn
product-key=

→やはり、記録が残っていました。

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iso ファイルの場所、「かんたんインストール」がオフ、ユーザ名、が登録されています。

ディストリビューションごとに 4行使っています。

→たぶん、ボックス削除後、該当の 4行を削除すれば、「かんたんインストール」を初期の状態に戻せるかもしれません。

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このファイルのみで管理されているとすると、問題は「ボックス名」が含まれていないこと。「iso ファイルの場所」で管理されているので、それを使う同じディストリビューションで 1回しか「かんたんインストール」が使えません。

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5). それを前提に、「かんたんインストール」を再び使えるようにする、簡単なやり方を考えると、

ボックスを削除してから、「iso ファイルの場所」を移動することかもしれません。

もし、複数のボックスで「かんたんインストール」を使いたいのなら、「iso ファイル」を「違う場所にリンク」すること。リンクだとマウントで問題があるなら、「違う場所にコピー」することにしました。

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6). リンク先を指定して、「かんたんインストール」が使えるようになるか試してみました:(失敗)

$ ls -l ~/ダウンロード/ubuntu-21.10-desktop-amd64.iso
-rw-r--r-- 1 ubn ubn 3116482560  8月  3 16:57 /home/ubn/ダウンロード/ubuntu-21.10-desktop-amd64.iso
$ mkdir -p ~/ダウンロード/ubuntu/2
$ cd ~/ダウンロード/ubuntu/2/
$ ln -s ~/ダウンロード/ubuntu-21.10-desktop-amd64.iso
$ ls -l ~/ダウンロード/ubuntu/2/
lrwxrwxrwx 1 ubn ubn 59  8月  5 01:43 ubuntu-21.10-desktop-amd64.iso -> /home/ubn/ダウンロード/ubuntu-21.10-desktop-amd64.iso

→2度目の「かんたんインストール」画面が表示。ユーザ名が表示されました。 実体の場所が変わらないとダメみたい。

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7). ISO ファイルを移動して、「かんたんインストール」が使えるようになるか試してみます:(失敗)

$ cd ~/ダウンロード/ubuntu/2/
$ rm ubuntu-21.10-desktop-amd64.iso
$ mv ~/ダウンロード/ubuntu-21.10-desktop-amd64.iso ~/ダウンロード/ubuntu/2/ubuntu-21.10-desktop-amd64.iso
$ ls -l ~/ダウンロード/ubuntu/2/
-rw-r--r-- 1 ubn ubn 3116482560  8月  3 16:57 ubuntu-21.10-desktop-amd64.iso

→2度目の「かんたんインストール」画面が表示。ユーザ名が表示されました。 あれれ、ダメみたい。

他にも関連する設定ファイルがあるのかも。

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8). 設定ファイルから項目を削除して、「かんたんインストール」が使えるか試してみます:(失敗)

$ nano ~/.var/app/org.gnome.Boxes/config/gnome-boxes/unattended/setup-data.conf
[/home/ubn/ダウンロード/ubuntu-22.04-desktop-amd64.iso]
express-install=false
username=ubn
product-key=

[/home/ubn/ダウンロード/ubuntu-21.10-desktop-amd64.iso]
express-install=false
username=ubn
product-key=

[/home/ubn/ダウンロード/ubuntu-22.04-desktop-amd64.iso]
express-install=false
username=ubn
product-key=

→2度目の「かんたんインストール」画面が表示。ユーザ名が表示されました。 これも、ダメみたい。

次の画面に進んでダンマリ。「Boxes」を強制終了して、起動させると「Ubuntu 20.10」のサムネールが復活しました。

これを起動させても、ライブが立ち上がるだけです。

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Ubuntu 20.10」を右クリックで「削除」

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9). 設定ファイルを「true」に変更して「かんたんインストール」が使えるか、試してみます:(失敗)

$ nano ~/.var/app/org.gnome.Boxes/config/gnome-boxes/unattended/setup-data.conf
[/home/ubn/ダウンロード/ubuntu-22.04-desktop-amd64.iso]
express-install=false
username=ubn
product-key=

[/home/ubn/ダウンロード/ubuntu/2/ubuntu-21.10-desktop-amd64.iso]
express-install=true
username=
product-key=

→ついでに「ユーザ名」も削除。

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→2度目の「かんたんインストール」画面が表示。ユーザ名が表示されました。

次の画面に進むと、ダンマリ。「Boxes」を強制終了して、起動させると「Ubuntu 20.10」のサムネールが復活しました。

$ cat ~/.var/app/org.gnome.Boxes/config/gnome-boxes/unattended/setup-data.conf
[/home/ubn/ダウンロード/ubuntu-22.04-desktop-amd64.iso]
express-install=false
username=ubn
product-key=

[/home/ubn/ダウンロード/ubuntu/2/ubuntu-21.10-desktop-amd64.iso]
express-install=false
username=ubn
product-key=

→設定ファイルも元に戻りました。ダウンロード先は変っています。

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わかったことは、下記の設定ファイルを変更しても、反映されません:
~/.var/app/org.gnome.Boxes/config/gnome-boxes/unattended/setup-data.conf

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ゆえに、これ以外にも設定ファイルがあるみたい。

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いろいろと試したけど、疲れただけ。難しいですね。

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参考: Flatpak 版の「Boxes」のファイル構成:

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7. 結論:

「かんたんインストール」でインストールしたことのあるディストリビューションは、

 2度目の「かんたんインストール」は使えません。通常のインストールになります

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参考: 通常のインストールを行う手順:

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1). ファイル指定でインストール

ISO イメージを指定

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2). 「かんたんインストール」の画面が表示されたら、何も変更せずに、次に進みます。

これがコツ。1度目は使えるけど、2度目以降は変更するとフリーズします。

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3). 次の画面で、UEFI を「オン」するか「オフ」するかを選択。「作成」をクリック

ディスクのパーティション分割に影響します。

Ubuntu では、UEFI 立ち上げのPC が前提に移行しているので、UEFI を「オン」にするのが妥当です。

クラッシュなどの障害が途中になければ、どちらを選んでも立ち上がりました:

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UEFI を「オフ」のままの場合:

インストール時の表示:

BIOS のための先頭を開けるため、パーティション番号がズレてます。

-

インストール完了後:

→ 3つのパーティションに分割されました。パーティション2 はダミーですが、/boot/efi にマウントされます。

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UEFI を「オン」に変更した場合:(Ubuntu での推奨)

インストール時の表示:

-

インストール完了後:

→ 2つのパーティションに分割されました。

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4). もし、キー入力を受け付けなくなったら、パネルバーの「Boxes」アイコンを右クリック→「閉じる」で強制終了

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5). システムを再起動

再起動しないと、「Boxes」が起動しない場合がありました。

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6). 「Boxes」を起動

新しく、サムネールができています:

クリックすると、ライブが立ち上がり、通常のインストールが可能です。

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まとめ

「Boxes」にて、「かんたんインストール」をオンにして、ボックスを作成(仮想マシンとしてインストール)してみました。

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「かんたんインストール」は、
 最小限の入力のみで、自動的に推奨の設定でインストールしてくれる機能です。

入力するのは、ログイン名とパスワードくらいで便利な機能です。たぶん、「英語キーボード」を使うのなら、問題なく使えます。

→惜しいかな、日本語環境では、いろいろと問題があります。

(今のところ)「かんたんインストール」はオフで使うのが無難かな

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そして、制限もありました:

「かんたんインストール」でインストールしたことのあるディストリビューションは、
 2度目の「かんたんインストール」は使えません。通常のインストールになります

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色々と書きましたが、「かんたんインストール」の画面が表示されるディストリビューションは、 「Ubuntu 22.04 LTS」、「Ubuntu 21.10」などの Ubuntu のデスクトップ」 ぐらいなので、

あまり気にする必要はありません。

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これだと、Boxes の良さがわからないので、

次回は、「Ubuntu 22.04 LTS」を普通にインストールしてみようと思います。

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