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Linux 関連の備忘録です。

Chromebook の備忘録: Chromebook の新機種 編〈H113〉

登録日: 2021-03-26 更新日: 2021-04-23

前回、サポート期限の切れた、ChromeOS デバイス「ASUS Chromebox CN60」「Toshiba Chromebook (CB30)」「Toshiba Chromebook 2 (CB35)」 にて「UEFI 立ち上げ」に変更するファームウェアの置換を行いました。

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今回は、それ以降に発表された新しい機種における、Chromebookファームウェア置換の対応状況とか、書き込み保護解除のやり方などの情報を調べました。その備忘録です。実物がなく確認していないので誤りがあるかもしれません。

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注意:

本体の分解やファームウェアの置換は、メーカー保証が切れるだけでなく、文鎮化(ぶんちんか: マシンが動かず、重しにしか使えなくなること)のリスクがあり、自己責任です。 また、学校向けや企業向けの機種の場合は、個人で勝手にいじらず管理者に従うべきです。 (たぶん、管理者のパスワードで保護されていて前に進めないとは思います)

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(注)リンクを戻るときはブラウザの左上の「←」をクリック

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目次

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「ChromeOS デバイスの情報」

「ファームウェアの置換について」

「ケーブルを使っての書き込み保護の解除」

「ファームウェアの置換の手順」

「参考になりそうな動画:」

「まとめ へ」

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「目次詳細 へ」

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ChromeOS デバイスには、自動更新有効期限 (AUE) があります

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ChromeOS デバイスChromebook、Chromebox)には、使われているプロセッサのアーキテクチャごとに有効期限 (AUE) がGoogle によって事前に決められています。その期限が来るとChromeOS が更新されなくなるので、セキュリティ対応や新機能が入手できなくなります。 新機種であっても古いプロセッサが使われていると期間は短くなります。期間は機種によってマチマチです。

購入する時は、値段や性能だけでなく、サポート期限の長さや、 サポートが切れていないかなどの確認が重要です。 確認せずに、新機種ではないChromebook に手を出すと後悔します。

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最新機種扱いのChromebook:(有効期限 が「2028年6月」以降を抜粋)

メーカ ChromeOS 機種名 リリース 有効期限 備 考
Acer Chromebook 712(C871T-A14N) 2020年10月22日 2028年6月 12型HD+、Celeron 5205U、4GB、32GB eMMC、日本語KB
Acer Chromebook 712(C871T-A14P) 2020年10月22日 2028年6月 12型HD+、Celeron 5205U、4GB、64GB eMMC、日本語KB
Acer Chromebook 712(C871T-A38N) 2020年10月22日 2028年6月 12型HD+、Core i3-10110U、8GB、32GB eMMC、日本語KB
Acer Chromebook 712(C871T-A38P) 2020年10月22日 2028年6月 12型HD+、Core i3-10110U、8GB、64GB eMMC、日本語KB
Acer Chromebook Spin 311(CP311-3H-A14N) 2020年6月23日 2028年6月 11.6型HD、MediaTek M8183C、4GB、32GB eMMC、日本語KB
Acer Chromebook Spin 311(CP311-3H-A14N/E) 2020年6月23日 2028年6月 11.6型HD、MediaTek M8183C、4GB、32GB eMMC、英語KB
Acer Chromebook Spin 311(CP311-3H-A14P) 2020年6月23日 2028年6月 11.6型HD、MediaTek M8183C、4GB、64GB eMMC、日本語KB
Acer Chromebook Spin 311(R721T-N14N) 2020年6月23日 2028年6月 11.6型HD、AMD A4-9120C、4GB、32GB eMMC
Acer Chromebook Spin 511(R753T) 2021年9月予定 2029年6月 文教向け: 11.6 型HD IPS、Celeron N4500、4GB、32GB eMMC
Acer Chromebook Spin 512(R853TA) 2021年9月予定 2029年6月 文教向け: 11.6 型HD IPS、Celeron N5100、8GB、64GB eMMC
Acer Chromebook Spin 513(CP513-1H、CP513-1HL) 2021年1月22日 2029年6月
Acer Chromebook Spin 514(CP514-1W、CP514-HH) 2021年1月13日 2029年6月
Acer Chromebook Spin 713(CP713-2W) 2028年6月
Acer Chromebox CXI4 2020年10月29日 2028年6月 Celeron 5205U 〜Core i7(日本では未発売)
ASUS Chromebook Flip C436 2020年1月13日 2028年6月 Cometlake
ASUS Chromebox 4 2020年10月29日 2028年6月 Cometlake
ASUS Fanless Chromebox 2020年11月13日 2028年6月 Cometlake
HP Chromebook x360 11MK G3 EE 2021年1月29日 2028年6月 MT8183
HP Chromebook x360 14c-ca0011TU 2020年10月14日 2028年6月 14型FHD、Core i3-10110U、8GB、128GB eMMC、日本語バックライトKB
HP Chromebook x360 14c-ca0012TU 2020年10月14日 2028年6月 14型FHD、Core i5-10210U、8GB、128GB eMMC、日本語バックライトKB
HP Chromebox G3 2020年10月23日 2028年6月 Celeron 5205U、RAM 4GB 、32GB eMMC(日本では未発売)「Cometlake」
HP Chromebox G3 2020年10月23日 2028年6月 Core i5-10310U、 RAM 8GB 、64GB eMMC(日本では未発売)
HP Pro c645 Chromebook Enterprise 2020年12月29日 2029年6月 企業向け: AMD Athlon Silver 3050、HP Pro c640 ChromebookAMD 版(日本では未発売)
Lenovo Chromebook Duet 2020年1月7日 2028年6月 MT8183
Lenovo 10e Chromebook Tablet 2020年1月14日 2028年6月 Duet のキーボードなしモデル
Lenovo IdeaPad Flex 5i Chromebook 2028年6月 Cometlake
Samsung Galaxy Chromebook 2020年1月6日 2028年6月 Cometlake
Samsung Galaxy Chromebook 2 2021年1月7日 2028年6月 Cometlake
Sharp Dynabook Chromebook C1 2029年6月 文教向け: LTE モデル

→これを見ると、2020年以降の機種になりそうです。

日本のメーカのChromebook は文教向けや企業向け(管理システム込みで多くの台数を一括販売でき採算が取れます)がほとんどです。その一部を抜粋。SharpLTE モデルは魅力的ですが個人での入手は難しそう。

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抜粋した新機種の情報 :

メーカ ChromeOS 機種名 コード名 プロセッサ 備 考
Acer Chromebook 712(C871T-A14) kindred Cometlake Celeron 5205U
Acer Chromebook 712(C871T-A38) Core i3-10110U
Acer Chromebook Spin 311(CP311-3H) juniper MT8183 MediaTek M8183C
Acer Chromebook Spin 311(R721T) kasumi360 Stoney Ridge AMD A4-9120C
Acer Chromebook Spin 511(R753T) Celeron N4500
Acer Chromebook Spin 512(R853TA) Celeron N5100
Acer Chromebook Spin 513(CP513-1H、CP513-1HL) lazor QC-7C
Acer Chromebook Spin 514(CP514-1W、CP514-HH) ezkinil Picasso/Dali
Acer Chromebook Spin 713(CP713-2W)
Acer Chromebox CXI4 kaisa Cometlake
ASUS Chromebook Flip C436 helios Cometlake
ASUS Chromebox 4 duffy Cometlake
ASUS Fanless Chromebox faffy Cometlake
HP Chromebook x360 11MK G3 EE burnet MT8183
HP Chromebook x360 14c-ca0011TU Core i3-10110U
HP Chromebook x360 14c-ca0012TU Core i5-10210U
HP Chromebox G3 noibat Cometlake Celeron 5205U
HP Chromebox G3 Core i5-10310U
HP Pro c645 Chromebook Enterprise berknip Picasso/Dali
Lenovo Chromebook Duet krane MT8183
Lenovo 10e Chromebook Tablet kodama MT8183
Lenovo IdeaPad Flex 5i Chromebook akemi Cometlake
Samsung Galaxy Chromebook kohaku Cometlake
Samsung Galaxy Chromebook 2 nightfury Cometlake
Sharp Dynabook Chromebook C1

→市場にまだ出ていない機種もあります。

  • 一覧にCeleron の記載はありますが、Core i3Core i5 の機種が見当たらないのは、もしかしたら同じ基盤かもしれません。

ただし、それを知らなくてもスクリプトを実行してメニューを見ればわかります。そして、それに従えばよいだけです。(メニュー表示だけしての事前確認にスクリプトが使えます。ただし、事前にデータ退避などはしておくと安心です)

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Andorid アプリを使える ChromeOS デバイス:

表示される一覧表は、2019年より前に発売された、AndroidアプリをインストールできるChromebook、Chromebox の情報です。

  • 2019年以降に発売されたすべてのChromeOS デバイスは、Androidアプリをサポートしています。 つまり、Google Play ストア アプリが使えます。

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ただし、現在はアプリを作るときにChromebook で使うことが考えれれておらず、アプリのインストールはできても使えないアプリが多いと思われます。

また、Android スマホと同じように、タッチ画面付きで、同じ「arm」系のプロセッサを使ったChromebook を選べば使える可能性は高くなります。アプリのインストールに大きめのストレージが欲しいところ。

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サポートされているChromebookにAndroidアプリをインストールする方法:

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コンテナで Linux を使える ChromeOS デバイス:

表示される一覧表は、2019年より前に発売された、Linux(ベータ版)がサポートされているChromebook、Chromebox の情報です。

  • 2019年以降に発売されたすべてのChromeOS デバイスは、Linux(ベータ版)をサポートしています。

  • 「crostini」は、コンテナで動く「Debian 9」で「ターミナル画面」のアプリとして起動されます。

  • 開発者モードにしなくても実行できるのが利点です。

ChromeOSのセキュアな環境のままLinux を実行できますが、 コンテナでの実行なので、通常のLinux よりも制限を受けます。

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Linux(ベータ版)を設定する方法:

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参考:

Chromebookの新機能Crostiniを使ってLinuxを試す

→「Crouton」や「Chromebrew」よりも使えるみたい。

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ファームウェアの置換について

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Intel プロセッサを載せたChromeOS デバイスChromebook、Chromebox)では、立ち上げファームウェアとして「 coreboot 」が使われています。

corebootオープンソースです。ChromeOS の一部の機種(CN60 など)のファームウェアにはUSB メモリからLinux 等を立ち上げできる試験的に付加された「レガシーブートモード」(フラグで操作)が含まれていました。残念ながら不具合があり動きませんでした。

「レガシーブートモード」の機能は、ファームウェアCoreboot )の一部である「RW_LEGACY」 領域に SeaBIOS を書き込むことによって実現されています。

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1. 参考: MrChromebox.tech 氏のファームウェア:

「MrChromebox.tech」氏のサイトでは、Chromebook の古い機種から新しい機種までサポートされています。 ChromeOS デバイス関連の詳しい情報も記載されており参考になります。

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ファームウェア置換のスクリプトを実行すると、わかりやすいメニューが表示されます。 現在のデバイスの書き込み保護の状態も表示されており、そこは重要です。

そのメニューに表示されるカラー化された「Write Protection : Enable / Disable」は現在のシステムの状態になります。 意味としては逆なので注意(Disable 表示で書き込みできます)。基本的に赤色は禁止を示してます。

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ファームウェアの置換には、「RW_LEGACY」の置換と、「UEFI フル ROM」の置換があります。

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2. 参考: 2014年頃の機種のファームウェアの対応 状況:

  • 使用のプロセッサごとに分類された一覧が表示されます。 ChromeOS リカバリーユーティリティを使ったときに表示される「コード名」を参考にすると見つけやすいです。

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メーカ ChromeOS 機種名 コード名 プロセッサ RW_LEGACY UEFI (Full ROM) WP 備 考
ASUS Chromebox (CN60) panther Haswell  ✅  ✅ ネジ 写真
東芝 Chromebook 13 (CB30) leon Haswell  ✅  ✅ ネジ 写真
東芝 Chromebook 2 (2014) swanky BayTrail  ✅  ✅ ネジ 動画

→「RW_LEGACY」か「UEFI (Full ROM)」(フルROM)にチェックがあれば対応しています。

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  • 2014〜2017年までの機種 (Haswell、Broadwell、Baytrail、Braswell、Skylake) のハードウェア側の書き込み保護は、「書き込み保護ネジ」(+ドーナツ状の導電シール)を取り外すことで解除できます。基盤によりネジの位置は違います。

→WP ピンとGND に接続された端子間をネジで短絡(ショート)したら「保護」、ネジを取り外して電気的に開放したら「解除」になります。

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3. 抜粋した新機種のファームウェアの対応 状況:

メーカ ChromeOS 機種名 コード名 プロセッサ RW_LEGACY UEFI (Full ROM) WP 備 考
Acer Chromebox CXI4 Kaisa Cometlake  ✅ CR50
Acer Chromebook 712(C871T) kindred Cometlake CR50
Acer Chromebook Spin 713(CP713-2W) kled Cometlake CR50
ASUS Chromebox 4 duffy Cometlake  ✅ CR50
ASUS Chromebook Flip C436 helios Cometlake CR50
HP Chromebook x360 13c jinlon Cometlake CR50
HP Chromebook x360 14c dragonair Cometlake CR50
HP Chromebox G3 noibat Cometlake  ✅ CR50
Lenovo IdeaPad Flex 5i Chromebook akemi Cometlake CR50
Samsung Galaxy Chromebook kohaku Cometlake CR50

(2021-04-23 現在の対応状況)

→「RW_LEGACY」か「UEFI (Full ROM)」(フルROM)にチェックがあれば対応しています。 個人的には新機種の場合だと「RW_LEGACY」に対応してもらった方がありがたいかも。

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新しいChromebox は、Wi-Fi 6 とBluetooth 5.0 をサポート、さらにHDMI ポートが2つあり高機能です。 デュアル4K モニタや最大3台のモニタ(USB-C ポート利用)が接続できます。

VESAマウントでモニタの背面に取り付けて省スペース化もできます。(電源オンはやりにくそう。また発熱があるので空気の流れを考慮した置き方が必要。CPU モニタの常駐で温度監視をしておくと寿命が延びます)

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  • みなさんが持っていそうな、人気の機種がこの一覧にないというのは、「インテルプロセッサではない」(立ち上げの仕組みが違う)ということが大きいです。

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4. 「RW_LEGACY」について:

  • 「レガシーBIOS」でUSB からLinux を立ち上げできます。

  • 書き込み保護の解除は要りません。本体ケースを開けなくても実行できます。

  • ChromeOS(Ctrl+D)も、Linux(Ctrl+L)も、選択して立ち上げできるので、使える可能性が広がります。

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「RW_LEGACY 」の難点:
  • 毎回、どこから立ち上げるかを選ぶ必要があるので、ひと手間増えます。

  • LinuxBIOS 立ち上げしかできません。

→例えば、UEFI 立ち上げでインストールしたUSB メモリをセットしても認識できず、立ち上がりません。

  • ChromeOS も使えますが、サポートが切れた機種だとChrome ブラウザが更新されないので、セキュリティに不安が出ます。

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CromeOS を立ち上げるときは:

立ち上げの開発者画面で、CTRL+D →内臓のSSD から、CromeOS が立ち上がります。 内臓のSSD はChromeOS で使われます。特別な操作をしないと、SSD を領域分割することはできません。

→下手に分割すると、ChromeOS のリカバリメディアが要求されると思います(?) 。

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内臓のSSDLinux のインストール先にすると、CTRL+L でないと立ち上がらなくなります。

→CTRL+D を押すと、ChromeOS のリカバリメディアが要求されると思います(?) 。

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Linux を立ち上げるときは:

立ち上げ時の開発者画面で、CTRL+L →「レガシブートモード」で起動 →ESC を押して起動メニューから、立ち上げたいUSB メモリを選択。

→USB メモリは、BIOS 立ち上げでLinux がインストールされていないと認識しません。

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5. 「フルROM」について:

  • UEFI」でUSB からLinux を立ち上げできます。

  • 内臓のストレージをすべてLinux に使えます。

  • UEFI で作成した)USB メモリからも起動できます。

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「フルROM 」の難点:
  • 書き込み保護の解除が必要です。

  • 内臓のSSD にChromeOS が残っていても、起動できません。

  • ChromeOS だけでなく、それに付随した機能(Andoroid アプリの起動、コンテナでのLinux 、Crouton でインストールしたLinux 等)も使えなくなります。

UEFI 立ち上げしかできない「性能のそれほど高くないPC」と同じになります。 軽量なLinux ディストリビューションにすれば、快適です。

  • 以前作成したBIOS 立ち上げのUSB メモリは認識できず、立ち上げできなくなるので注意。

  • 置換するときは、どちらでも立ち上がるライブUSB メモリを準備しておくと安心です。

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Linux を立ち上げるときは:
  • 立ち上げ時の開発者画面は表示されず、立ち上げ途中に「白いうさぎ」(coreboot ロゴ)の画面が表示されます。 Esc を押すと、立ち上げたい USB メモリの選択ができます。

→USB メモリは、UEFI 立ち上げでLinux がインストールされていないと認識しません。 (/boot/efi にマウントされる、fat32EFI パーティションが必要です。)

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内蔵SSD (/dev/sda) に、UEFI 立ち上げでLinux をインストールしましたが、 内蔵SSD をインストール先にすると問題が少なくインストールが楽です。 大きなサイズのUSB メモリをいつもの運用にして、テストでのインストール先は内蔵SSD を16GB のままで使う、という考えもアリかも。

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6. 書き込み保護の解除が必要なとき:

  • RW_LEGACY の置換をするだけなら、解除は要りません。

  • UEFI フルROM の置換をしたいときは、解除が必要です。

  • RW_LEGACY の置換をした後に、立ち上げ選択の操作を省きたいときは、解除が必要です。

(GBB フラグの変更で必要)

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7. 書き込み保護の解除について:

  • 2019年以降の機種は、WP ピンが 「CR50」と呼ばれるカスタムチップに接続されていて、そこで書き込み保護は制御されています。また、カスタムチップはWP 状態をバッテリー検出でも行っています。

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1). 本体カバーを開けられる機種は、バッテリーのコネクタを一時的に抜くと解除されます。(動作は未確認)

本体カバーを開いて、バッテリーコネクタを見つけ、基盤からバッテリーコネクタを抜きます。

本体カバーを閉じて(仮どめ)、AC 電源コネクタ(充電器)を挿入して、開発者モードで起動します。

スクリプトを実行してファームウェアの置換等を行います。 もし、WP がenable のままだったら、何かしらのコマンド入力が必要かもしれません。

本体カバーを開いて、バッテリーコネクタを付けてから、再度本体カバーを閉じます。

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  • 最近の機種は、本体カバーは「+」ネジではなく「*」ネジかもしれません。開けるのが難しそうならケーブルが無難です。

  • 本体カバーは開けられてもバッテリーを持たないChromebox はケーブルの入手が必要そうです。

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2). 本体カバーを開けられない機種、または開けたくないとき、または上記がうまく行かないときは、「Suzy-Q ケーブル」を接続して、CCD コマンド入力で解除します。

→開発時のデバック通信に使われる回路が内蔵された「USB-C 〜USB-A」ケーブルになります。ただし、ケーブルを入手しても、10分ほど使った後は、使うことがなくなります。

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→もしかしたら、後継で最新のChromebox 4 も書き込み保護ネジを取り外すことで解除できるかもしれません。 一覧表ではケーブルのみが対応なので希望は薄いです。

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3). ケーブル: parkfun 製 SuzyQable - ChromeOS Debug Cable

参考:

SuzyQ / SuzyQable

ボードの開発に使われる、Servo V2 は、Servo ファミリのデバッグ回路ですが、現在は製造されていません。それを置き換えるのが「SuzyQable」です。 デバッグ用の通信が必要な場合に頻繁に使用されます。

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参考: 回路図 SuzyQable Case-Closed Debug Cable

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4). ケーブルが対応している機種:

Developer Information for Chrome OS Devices にて、 右端にある「Closed Case Debugging」欄が「Yes」または、「Left Port」などのUSB-C ポートの指定がある機種

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5). ケーブルの入手:

製造元からの入手、および、ケーブル外観:

sparkfun: SuzyQable - ChromeOS Debug Cable

$14.95 大量販売価格

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通販 digikey electronics 日本: cab-14746

¥1,697 (6000円以上は送料無料)

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通販 mouser electronics: cab-14746

SuzyQable - ChromeOS Debug Cable

¥1,681

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通販 ロボショップ 楽天市場店: SparkFun SuzyQable - ChromeOSデバッグケーブル

商品番号 rb-spa-1651

1,990円 (税込) 19ポイント 送料550円(3,980円以上は送料無料)

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8. ケーブルを使っての書き込み保護の解除の手順:

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1). 開発者モード(Developer Mode) を有効にします:

こちらの記述 を参照:

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2). CCD を開きます:

CR50(当該チップ上で動作するファームウェア)には、CCD(クローズドケースデバッグ)機能があり、 Chromebook の筐体(ケース)を開けなくても操作できます。

閉じたCCDの状態を「開いて」変更できるようにします:

1. ChromeOS のログイン画面でログインします。

2. ブラウザで、CTRL+ALT+T として、crosh シェルを開きます:

crosh> shell

3. CCD の状態を確認:

$ sudo gsctool -a -I

→CCD の状態は「閉じている」(closed) はずです。

4. CCD を開きます(open):

$ sudo gsctool -a -o

→約3分間で、電源ボタンを押すように何度かプロンプトが表示されます。

再起動され、開発者モード画面に戻ります。

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3). WP を解除して、ファームウェアの書き込みを有効にします:

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(1). ChromeOS デバイスに、「Suzy-Q」ケーブルの両端を接続します:

USB-C 側は、USB-C コネクタに接続します(複数のときは、ひとつがデバッグポートです。通常、左側の背面のポートみたい)。ケーブルに内蔵されたデバッグチップに接続された信号ピンは決められているので、コネクタには向きがあります。接続できないときはコネクタを逆方向にします。(数回のトライが必要かも…)

ケーブルのUSB-A 側は、任意のUSB コネクタに接続できます。 USB-C コネクタしかないデバイスでは、USB-C →USB-A 変換アダプタを使う必要があります。

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(2). ケーブルがちゃんと接続されたかを確認:
$ ls /dev/ttyUSB*

→ちゃんと接続されれば、ttyUSB0、ttyUSB1、ttyUSB2 のうちのどれかが表示されます。

→(例えば、ttyUSB0 が表示されたとします)

端末名が表示されないときは、Suzy-Q ケーブルのUSB-C コネクタが、デバッグポートでないUSB-C ポートに接続されているか、USB-C コネクタが逆さまです。

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(3). ルートシェルに変更:
$ sudo su -

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(4). ハードウェアの書き込み保護を無効にします:

/dev/ttyUSB0 は項番2 で確認した番号です。

# echo "wp false" > /dev/ttyUSB0
# echo "wp false atboot" > /dev/ttyUSB0

→(ttyUSB0 の場合です)

(5). すべてのCCD機能を常に有効にします:
# echo "ccd reset factory" > /dev/ttyUSB0

→(ttyUSB0 の場合です)

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(6). 変更されたかを確認:
# gsctool -a -I

→CCD 状態で、すべてのCCD フラグの現在値が「Y/Always」に設定されたかを確認。

注: 現在の値の後に括弧で囲まれた値は、デフォルト値なので無視します。

# crossystem wpsw_cur

→現在のWP 値は 0 である必要があります。

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(7). 再起動

立ち上がれば、ファームウェアの置換のスクリプトを実行できます。 スクリプトを実行したときに表示される、書き込み保護の状態を確認します。 書き込み保護は解除されているはずです。

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(8). CTRL+ D でChromeOS を起動します。

Chrome OS のログイン画面になります。

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9. 新機種での、ファームウェアの置換の手順:

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1). 念の為、リカバリディスクの作成とデータの退避

作業前に「ChromeOS リカバリユーティリティ」で、USB メモリ(8GB) または SD カード(8GB) に、リカバリディスク を作りました。また、ローカルにダウンロード(保存)していたデータを退避。

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2). 開発者モード(Developer Mode) を有効にします

  • 入力するコマンドの「shell」は、開発者モード(Developer Mode) にしないと使えません。

  • モードが変更されるときにローカルに保存されたデータは消去されます。事前にデータの退避が必要です。

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(1). リカバリモードに入ります。
  • Chromebook の場合は、キーボードのESC+ Refresh(F3) キーを押し続けてから、Power キーを約1秒間押します。 3つのキーをすべて離します。

  • Chromebox の場合は、SD カードスロットの近くにある、ロック穴のすぐ上にある小さな穴(リカバリボタン)にペーパークリップの先端を挿入して押したまま、電源ボタンを押します。 1秒後にクリップのボタンを放します。 (機種によりリカバリボタンの場所は違うかもしれません)

→「Chrome OS is missing or damaged.」が表示(リカバリモード画面)。

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(2). Ctrl+ D を押して、開発者モードに切り替えます。

→「To turn OS Verification OFF」という確認メッセージが表示。

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(3). Chromebook の場合は、Enter を押します。

Chromebox の場合は、もう一度、リカバリボタンを押します。

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(4). 再起動され開発者モードに移行します。

ローカルに保存されたデータが消去されます。数分かかります。

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(5). 開発者モード画面が表示されました:

→立ち上げ時に毎回表示される「OS verification is OFF」が表示されます。

  • 「←」「→」キーで日本語の表示に変更できます。

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(6). CTRL+ D もしくは、30秒のタイムアウトでChromeOS が起動されます。
  • RW_LEGACY の置換を実施すると、ここで CTRL+ L を押すと、レガシーブートモードとなり、USB メモリからLinux を起動できるようになります。Esc キーで立ち上げるUSB を選べます。

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3). ファームウェアの置換のスクリプトの実行

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(1). 端末を開きます

MrChromebox.tech →「Developer Mode」タブ

→「Getting a (Root-capable) Shell」の項目を参照:

注:ChromeOS の「crostini」のターミナル(penguin) ではスクリプトの実行権限がないので実行できません。

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A: ChromeOS の仮想コンソール端末を開き、スクリプトを実行する場合:

ChromeOS のログイン画面か、ログインしてから、「CTRL+ALT+F2」

→仮想コンソール端末 VT2 の画面が表示:

login: 

→「chronos」でログイン(パスワードは不要)

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B: ChromeOS のブラウザの「ターミナル」タブを開き、スクリプトを実行する場合:

ChromeOS でログイン(ゲストでもOK)後に、ブラウザで「CTRL+ALT+T」

→crosh シェル(Chrome Shell)がブラウザのページで開きます。

crosh> shell

Linux コマンドを実行できるbash シェルを起動します。開発者モードにすると使えるコマンドです。

chronos@localhost / $

→プロンプトが変化します(ユーザ名@ホスト名)

  • ブラウザで起動すると、ALT 押しながらのクリックで、行のコピーや貼り付けができるので便利です。

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C: Linux の「ターミナル」アプリを起動して、スクリプトを実行する場合:
  • Linux が立ち上がらない最初だけは上記のChromeOS での操作が必要。

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(2). MrChromebox.tech のスクリプトを実行

MrChromebox.tech →「Firmware Utility Script」タブ

→「IMPORTANT:」の項目を参照:

  • ChromeOS の「ファイル」で開くことができる、fat32 で初期化されたUSB メモリか、SD カード(使っているものでも、空きがあればOK)を準備しておきます。

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Chromebook の「開発者モード」で(A または B の操作で)端末を起動した場合のスクリプト:
$ cd; curl -LO mrchromebox.tech/firmware-util.sh
$ sudo install -Dt /usr/local/bin -m 755 firmware-util.sh
$ sudo firmware-util.sh

→ブラウザで「CTRL+ ALT+ T」とすると、1行ごとにコピーや貼り付けが使えます(Chromebook では、ALT キーを押しながらクリックが、右クリックです)。「$ 」はプロンプトなので不要。

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Linux で立ち上げて(C の操作で)端末を起動した場合のスクリプト:

たぶん、curl のインストールが必要かも:

$ sudo apt install curl

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$ cd; curl -LO mrchromebox.tech/firmware-util.sh && sudo bash firmware-util.sh

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(3). 「RW_LEGACY」の置換を行う場合:

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スクリプトのメニューを選びます:
Fw WP: Disabled

      1) Install/update RW_LEGACY Firmware
[WP]  2) Install/Update UEFI (Full ROM) Firmware 

→「1」を選択

  • 「RW_LEGACY」の項目には [wp] が付いていないので、ファームウェアの書き込み保護の解除は要りません。

→ちなみに、上段に表示の「Fw WP: Disabled」の表示は書き込み保護がすでに解除されていることを示します。

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fat32 で初期化されたUSB メモリ(使っているものでも、空きがあればOK)をセットします。保存したものがあると簡単に元に戻せます。ファイル名の表示があります。

→保存した後に、レガシーブートモードを有効にする crossystem boot フラグが自動で設定され、RW_LEGACY 領域の更新が行われます。

  • デフォルトの起動デバイス(内部ストレージ[デフォルト] or USB/SD)を設定したり、 Chromebox だと、ssh 接続のみで使うための「headless」(ディスプレイが接続されていない起動)を有効にするかの質問があるようです。変更するにはスクリプトの再実行が必要です。

  • 書き込み保護の解除が必要ですが、「3) Set Boot Options (GBB flags)」で、GBBフラグを変更すると、「CTRL+ L」のレガシーブートをデフォルトとして設定でき、立ち上げ時の手間を減らせます。

  • 完了したら、「q」でメニューを終了させます。「r」 で再起動、「p」で電源オフします。

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立ち上げ時の操作:
  • Linux のライブUSB メモリなど、BIOS で起動できるストレージをセット

  • 立ち上げの画面で、CTRL+L を押して「レガシブートモード」で起動し、ESC を押して起動メニューからUSB メモリを選択します。

→USB メモリで立ち上がりました。

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(4). 「UEFI フルROM」の置換を行う場合:

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スクリプトのメニューを選びます:
Fw WP: Disabled

      1) Install/update RW_LEGACY Firmware
[WP]  2) Install/Update UEFI (Full ROM) Firmware

→「2」を選択:

項目に [wp] が付いているので、ファームウェアの書き込み保護を解除しないと使えない項目です。 [wp] が赤色なら選択できず、[wp] が緑色なら選択できます。

上段に表示の「Fw WP: Disabled」の表示は書き込み保護がすでに解除されていることを示します。

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fat32 で初期化され、空きがあるUSB メモリをセットします。ファイル名が表示されるので、他の用途で使っていたUSB メモリでも使えます。保存しておくと簡単に元に戻せます。

  • 完了したら、「q」でメニューを終了させます。「r」 で再起動、「p」で電源オフします。

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立ち上げ時の操作:
  • Linux のライブUSB メモリなど、UEFI で起動できるストレージをセット

  • 立ち上げの画面で、「白いうさぎ」(coreboot のロゴ)の画面が表示されます。

  • 何も押さないとデフォルトで立ち上がります。

→ESC でブート選択画面になります。

USB メモリを選択(UEFI 立ち上げになっていないと認識されません。運用時は一番上、ライブUSB のときは一番下)

  • USB メモリで立ち上がりました。

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参考になりそうな動画:

新機種のケーブルでの解除ではなく、書き込み保護ネジを取り外す解除のやり方です。 その他はほとんど変わらないので、参考にできます。

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ASUS Chromebox 3 (CN65) の書き込み保護の場所と取り外し、フルROM 置換 動画:

Installing Windows 10 on an Asus Chromebox 3

2021/02/23

英語での説明で、キーボード操作は確認できませんが、画面の文字は見やすいです。

  • 高性能モデル(i7 8550U、8GB RAM)につきメモリ増設の必要はなし。

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タイムスタンプ:

本体カバーの取り外し: 再生 1:20

書き込み保護ネジの場所と取り外し: 再生 2:55

「開発者モード」にします: 再生 3:33

→ペーパークリップを使用: 再生 4:10

ChromeOS のセットアップ中に、Ctrl+Alt+F2 にて仮想コンソールの画面を表示: 再生 5:20

chronos でログイン: 再生 5:23

スクリプトfirmware-util.sh): 再生 5:28

スクリプトのメニュー画面が表示: 再生 6:19

→「Fw WP: Disabled」の表示なので書き込み保護がすでに解除されています。

[WP] 2) Install/Update UEFI (Full ROM) Firmware

→「2」を選択(UEFI フルROM 置換): 再生 6:48

書き込み保護の解除が必要な項目ですが、[wp] が緑色なので解除されており選択できます。

Windows についての警告が表示。

警告を確認して同意の合言葉(わかりました): 「I UNDERSTAND」Enter

y

n

  • 実行前のファームウェアの保存に「n」としていますが、fat32 で初期化したUSB メモリ(8GB)を準備して保存をするのが安心。

完了したら、Enter でメニューに戻ります: 再生 16:25

「r」で再起動

「白いうさぎ」(coreboot のロゴ)の画面: 再生 8:00

ESC でブート選択画面: 再生 8:07

ライブUSB メモリで立ち上がりました: 再生 8:25

Windows のインストール作業が続きます…

セットアップが完了したら、書き込み保護ネジを取り付けています: 再生 9:22

Chromebook の場合は、カバーを開けるのがたいへんなので、書き込み保護ネジは戻さないのが無難。

本体カバーを取り付け: 再生 9:30

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まとめ

新機種のChromebook の場合は、たとえサポートが切れても、使える機能が減るのはもったいないので「フルROM」の置換はオススメしません。

書き込み保護解除の特殊ケーブルの入手が不要で、使える用途が簡単に広がる「RW_LEGACY」の置換までにしておくのが良さそうです。それもサポートが切れてからが安心。

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でも、それだと、いつまで経ってもこちらの手順が使えるかの確認ができそうにありませんね。 ケーブルのレビューは上がっているので、もうすでに試している人はいそうです。探せば関連する投稿が見つかるかもしれません。

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